2011年7月15日金曜日

The Hobo King Band

 佐野元春さんの新しいバンド、The Hobo King Band

レコーディングセッションの中からたんじょうしたバンドであり、
それぞれがじゅうぶんなキャリアを持ったミュージシャンの集まりでもある。

しかし、新しいバンドH・K・B(最初の頃はInternational Hobo King Band)は、
相当なプレッシャーがあったにちがいない。
あのハートランドのあとに佐野さんのバックをつとめるのは容易ではない。

結成当時のメンバーは、小田原豊、西本明、佐橋佳幸、井上富雄、Dr.kyOn、
の5人。前にも述べたが、2001年からはドラム担当は、古田たかしに
かわっている。

またツアーでは、スカパラホーンズやセクストンシスターズの力を借り、
ステージをこなしていった。

しかし、"FRUITS TOUR"でのバンドサウンドは、素晴らしいものがあった。
バニティーファクトリー、コンプリケーションシェイクダウンなど、
過去の曲からアルバム"FRUITS"収録曲まで、新しいH・K・Bアレンジでの
ライブパフォーマンスは、はやくも進化しているといってもいい。

そして、このバンドとの初のレコーディングセッション、
ファーストアルバムとなる"THE BARN"。

さらに、"THE BARN TOUR","Stones and Eggs Tour",
"The 20th Anniversary Tour"・・・・・

ニューアルバムのレコーディングの合間に行われた"Rock&Soul Review"
ファンクラブ限定ライブ"Plug&Play’02"では、セミアンプラグドのライブ。
"Visitors"からの曲を主にした"Milk Jam Tour"・・・"The Sun Tour"・・・・・

H・K・Bとしてのキャリアを積み重ねていくたび、
力強く、そして密度の濃い演奏をくりひろげていく。

常に佐野さんとH・K・Bとの新しい音、新しいチャレンジを探しながら。

去年、佐野さんは30周年を迎え、H・K・Bとともに
"30th Anniversary Tour"を行っている。
このツアーは、今年6月に行われた振替公演を最後に終了している。

まだまだ走り続けている佐野さんとホーボーキングバンド。
これからもどんな音、どんなチャレンジをみせてくれるのか、
たのしみである。

最後まで読んでくれてありがとう。

ここにきてくれてありがとう。

2011年7月11日月曜日

FRUITS 佐野元春。

 ハートランド解散後、佐野さんはさまざまなミュージシャンたちと
セッションをくりかえしていた。

ある意味自由ではあるが、佐野さん自身と一心同体であった
ハートランドメンバーがいなくなった今、自分のつくりたい音楽に対して、
どう具現化していけばいいのか?
問題も多々あったと思われる。

1年以上、レコーディングを続けていた。

なんとか17曲ピックアップし、アルバム"FRUITS"としてまとめあげた。

レコーディングセッションには、小田原豊、Dr.kyOn、井上富雄、佐橋佳幸、
スカパラホーンズなど、
のちのザ・ホーボーキングバンドにつながるメンバーになっている。

なお、小田原さんは、2000年までH・K・Bに在籍し、
2001年からは古田たかしと交代した。

このアルバム"フルーツ"には、いろんなタイプの曲がふくまれている。
言いかえればこのアルバムは、いろいろな発想にあふれている。
本来の佐野さんが、ここにはあるようにも思える。

”楽しい時”などは、大編成バンドで奏でられている。
その音は、実ににぎやかで楽しい。

”水上バスに乗って”では、演奏を"PLAGUES"が担当している。

そして最後の曲、”フルーツ”ではポエトリーリーディングでしめくくっている。

また、このアルバムではストリングスが本格的に導入されており、
ロックンロールからポエトリーリーディング、サイケデリックなど
佐野さんの新しい多彩な世界を感じることができるアルバムだと思う。

佐野元春さんの ”新たな” 1枚です。

最後まで読んでくれてありがとう。

ここにきてくれてありがとう。

2011年7月10日日曜日

BORDER - A tribute to MOTOHARU SANO -

 佐野元春に対するリスペクトから生まれたこのアルバム、

BORDER A tribute to MOTOHARU SANO

トリビュートを企画したのは、佐藤奈々子(nanaco)。
彼女は、プロデュース、そしてアーティスト、レーベル探し、制作まで
すべてをひとりでこなしている。

佐藤奈々子(nanaco)。

ある大学の学園祭。
そこで、佐野さんとnanacoは出会っている。

のちに音楽活動をともにするようになる。
やがてオリジナルをつくるようになり、最初の共作曲がコンテストで
賞を受賞し、それをきっかけに奈々子は、デビューをすすめられる。

そして77年。nanacoのファーストアルバム、"Funny Walkin' "がリリースされた。

佐野さんとnanacoは共作曲を多くてがけている。
かなり最近になって知ったのだが、後藤次利がベースとして
レコーディングメンバーに加わっていた。

少し話がそれたが、このアルバムBORDERは、10組のアーティストで
構成されている。

nanaco自らカヴァーしている ”99ブルース”。

そして、ハートランドの3代目ギタリストだった長田進と
ベースの根岸孝旨のバンド、DR.STRANGE LOVEは
ストレンジデイズをカヴァーしている。
ドラムは、現 H・K・Bメンバー古田たかしが担当している。
彼は、DR.STRANGE LOVEに参加していたが、97年に脱退している。

PLAGUESは、”空よりも高く”をカヴァー。
ボーカルの深沼さんは、FRUITS TOURでのステージで
佐野さんと共演している。(”水上バスに乗って”を共演)

BORDER A tribute to MOTOHARU SANO

佐野さんの音楽を知っている人は、このアルバムを聴くと
”おっ、こういうのもたまにはいいな。”と
必ずおもってもらえると思います。

”あり” な1枚です。

最後まで読んでくれてありがとう。

ここにきてくれてありがとう。

2011年7月8日金曜日

mf VARIOUS ARTISTS Vol 1 produced by MOTO 'Lion' SANO

 このCDを持っている人はラッキーだと思う。

佐野さんは、ラジオ番組で毎週1組のペースでアーティストの
楽曲をプロデュースし、番組で紹介していた。

当時、制作した曲はシングル盤としてリスナーにプレゼントしていた。
そして番組終了後、アルバムとして全15曲を収録し、
"mf VARIOUS ARTISTS Vol 1"として発表した。

11組のアーティストが参加している。

東京Be-Bop(ダディ柴田、ボーン助谷、石垣三十郎)
西本明のエスパシオ、古田たかしのジュゴン、阿部吉剛、
のちにホーボーキングバンド(H・K・B)のギタリストとなる佐橋佳幸
など。

Heartlandのメンバーが目立っているが、
イーストエンダース、石渡長門、藤森かつお、チャーティーボーイズなど。
なかには初めて耳にするアーティストたちもいる。

”ストリートミーティング♯13”を演奏しているThe Tokyo Be-Bop。
佐野さんのバックでホーンセクションとして演奏していた三人組だ。

スーパーダイナマイトサキソフォン、ダディ柴田。
その柴田さんに誘われたのが石垣三十郎。そしてボーン助谷とともに
The Tokyo Be-Bop結成。
他のアーティストらのレコーディングにも3人で参加している。

西本明。 このアルバムの中では、7曲めの”華”のみプロデュースしている。
一時期、不参加の時があったもののHeartlandだけでなく、H・K・Bにも
99年まで在籍していた。キーボードプレイヤーである。

阿部吉剛。ご存知、スウィートベイビーアベちゃんである。
このアルバムでは、ソロで2曲収録している。
彼は、キーボードプレイヤーだがギタリストでもある。
『カフェボヘミアのテーマ』ではギターを弾いている。

西本明、阿部吉剛の両氏は、アレンジャー、プロデューサーとしても
活動している。

古田たかし。Heartlandではドラマーとして参加。
誰もが認める最強ドラマーだ。
このアルバムではジュゴンとして、ボーカルもつとめている。
ハートランド解散後、2001年からH・K・Bのドラマー
としても参加している。

佐橋佳幸。音楽好きならこの人を知らない人はいないだろう。
ギタリストとしても、ソングライター、そしてプロデューサー
としても活躍。
佐橋さんは中学生の頃、当時大学生だった佐野さんと出会っている。
のちにH・K・Bにギタリストとして参加。
大物アーティストからの信頼も厚い。
また、ソロアルバムも発表している。

mf VARIOUS ARTISTS Vol 1

若手バンドや初めて耳にするアーティストたち。
そして有名なアーティストたちも参加しているこのアルバム。

限定盤だったゆえに今は中古でしか手に入らないが、
ファンならぜひ聴いておきたい、また持っておきたい1枚だ。

価値のある1枚です。

最後まで読んでくれてありがとう。

ここにきてくれてありがとう。

2011年7月4日月曜日

They called the band ”The Heartland”

 それは、1980年。

佐野元春をサポートするためにバンドが結成された。

結成当時、固定されたメンバーはいなかった。
結成直前、佐野さんはサックスプレイヤーをさがしていた。
諦めかけていたところ、友人からの紹介で柴田光久と出会う。
ダディ柴田である。

当時のバンドといえば、ギター、ベース、ドラム、キーボード
というのが定番であり、サックスが加わるというのは珍しかった。

しかし、絶対欠かせない存在であった。
佐野さんは、柴田さんを強引に口説き落としたらしい。

そして、バンド名も結成して数ヶ月は名前がなかったらしい。

しかし、ファーストアルバムでアレンジャーを務めた伊藤銀次を
ギタリストにむかえ、高校、大学とバンド仲間だった小野田清文、
小学生の時には、すでにドラムを叩いていたという古田たかし。
彼らが参加することで、徐々にバンドらしいまとまりがでてきた。

ちなみに、初期メンバーの中でもっとも早くから参加していたのは
阿部吉剛だったらしい。

最初のツアー、Welcome to the Heartland Tour では
阿部さん、銀次さん、小野田さん、古田さん、柴田さん、の5人。
その後、西本明が加わった。

"The Heartland"
このバンドのチームワークはすばらしい。
佐野さんとバンドとが一体化して、熱狂的なパフォーマンスを
てんかいしていくその様は、ステージを観たことがあるファンならば
くわしい説明はいらないだろう。

その後、ソロデビューのため脱退した銀次さんにかわり
横内タケや長田進がギターとして参加。パーカッションに里村美和。
ボーン助谷、石垣三十郎らも参加。
最強のバンドへと進化していく。

そして、ハートランド結成から14年。
やれることは全てやりつくしてしまった。佐野さんは解散を口にした。
それは、ザ サークルツアーの途中だった。

10万人を動員したこのザ サークルツアー終了から5ヶ月後の
94年9月15日、ハートランドとのファイナルライブ"LAND HO !"
が開催された。

そして佐野さんは、"The Heartland"との最後の夜をファンとともに楽しんだ。

その夜の闇は優しかったにちがいない。

最後まで読んでくれてありがとう。

ここにきてくれてありがとう。

2011年7月3日日曜日

The Circle 佐野元春 with The Heartland

 佐野元春さんとハートランドとの最後のレコーディングアルバム。

"The Circle"

暗い印象をうけるこのアルバムだが、
佐野さんのしせいは、常にポジティブであるにちがいない。

濃厚でからみつくようなギターで始まる”欲望”
バックコーラスも映えている。

”彼女の隣人”
この曲でも女性コーラスが曲にあつみをあたえている。

ある意味、ひとつの到達点に達したといっても過言ではない
曲の数々が、ここにはあるように思える。

また、"The Circle Tour"では、全国10万人の動員を記録。
ツアーを日本武道館でしめくくった。

そして、”ザ・サークルツアー”に出て数ヶ月がすぎた頃、
ザ・ハートランドの解散が決定された。

『解散は自然な流れであり、それをきり出すのは僕の役目だった。』
と佐野さんは語っている。

このメンバーで、もうこれ以上のピークはつくれないだろう。
やれることは全てやりとげてしまった。
メンバーひとりひとりもそれをかんじている。
口にださずともわかってしまう、と。

話はそれるが、佐野さんとハートランドは
アフリカ難民救済のための資金寄付、エイズ関連のチャリティーライブ、
アクト アゲンスト エイズ(AAA)の参加など、多岐にわたり
社会貢献にも取り組んできた。
これは一個人として、また社会の一員としての行動でもあった。

話を元に戻そう。
そして、94年9月15日
横浜スタジアムで、佐野さんとハートランドとの最後をかざる
ワンナイト、『LAND HO!』が開催された。

佐野さんにとって、けして欠かすことのできなかった存在。
"The Heartland"

その音楽性は、ロック ファンク ソウル ジャズまで幅広く
佐野さんの求める音楽に多大な貢献をしている。

"LAND HO!"
このステージでの雰囲気は、暗いものではなかった。
走りまわり、とび、さけび、はねる佐野さんにファンたちももりあがる。 

まさに、『このすばらしい横浜の夜』のフレーズにふさわしい
ワンナイトだったにちがいない。

そしてザ ハートランド、
まさにロックオーケストラといっても過言ではない。
日本のロック史に無視できない軌跡を残している。

"The Circle"
佐野元春 with The Heartland

無視できない1枚です。

最後まで読んでくれてありがとう。

ここにきてくれてありがとう。

Time Out ! 佐野元春 with The Heartland

 このアルバムは、”Cafe Bohemia”につづいての
ハートランドとのコラボレーションアルバムである。

Time Out !

”ぼくは大人になった”
思えば、『つまらない大人にはなりたくない』と叫んだデビュー当時。
それから10年たち、『ぼくは大人になった』・・・・・と。

このアルバムを手にとったとき、ファンであるがゆえ
あたりまえのように期待していたのだが、
正直、本気で聴いた覚えがない。

いちファンとして、いままで感じてきた”佐野元春”を感じなかった。
”ガツン”となにかを放つものが感じられなかった。

いま、あらためて聴いてみる。

佐野さんが年月を重ねてきたように、われわれファンもまた、
年月を重ね、”大人になった”のだろうか?

スゥーッ、と音が体に入ってくる。抵抗なく、音が染みこんでくる。

”ジャスミンガール”は、ファンの間では人気の高い曲だ。
アコースティックで演奏されることも多いこの曲は、
個人的にも気に入っている。

”空よりも高く”には、Homeという副題がつけられている。
何ともいえない感情がにじみ出ているのを感じずにはいられない。

ツアーもアルバム発表後、すぐに行われたが、
都市部のみとなり、規模の小さいものとなった。

が、その翌年、はやくも佐野さんは新作のレコーディングや
アルバム”Slow Songs”のレコーディングにとりかかっている。

しかし91年10月、佐野さんの父親が急逝したため
音楽活動をしばらくの間、休止することになるが、
数ヶ月のブランクののち、ツアーをスタートさせ、
それを機に活動を再開している。

アルバム”Time Out !”には、ポジティブなイメージは
あまり感じられない。
タイトルどおり、休息を連想させるものとなっている。

”Time Out !” 佐野元春 with The Heartland

こじんまりとした1枚です。

最後まで読んでくれてありがとう。

ここにきてくれてありがとう。